MNP（Mobile Number Portability）とは、携帯電話の番号を変えずにキャリアを乗り換えることができる制度です。

2006年にスタートし、それまで電話番号が変わることを理由に乗り換えをためらっていたユーザーも、MNPの導入により気軽にキャリア変更が可能になりました。

これにより、自分に合った料金プランやサービスを自由に選べるようになり、携帯電話の利用がさらに便利になっています。

MNPには電話番号をそのまま利用できる以外にも、いくつかのメリットがあります。

1. 電話番号の通知が不要
電話番号が変わらないため、友人や家族に新しい番号を知らせる手間が省けます。また、サービスやアプリでのログイン情報もそのまま使えるため、設定の変更も不要です。

2. キャリア変更のハードルが低い
以前は電話番号が変わることがキャリア変更の大きな障壁でしたが、MNPの普及により、気軽にキャリアを乗り換えることができます。これにより、より良い料金プランやサービスを見つけやすくなりました。

3. MNPキャンペーンの活用
各キャリアではMNPを促進するためにさまざまなキャンペーンを実施しています。特典や割引などが受けられる場合もあり、タイミングによってはお得に乗り換えができることがあります。

MNPにはいくつかのデメリットも存在します。

1. キャリアメールの引き継ぎに料金が発生する
通常、MNPを利用すると旧キャリアのメールアドレスは使えなくなりますが、キャリア各社が提供する「メール持ち運びサービス」（月額330円程度）を利用すれば、従来のメールアドレスを継続して使用できます。

これが不要な負担と感じる方もいるかもしれません。

2. キャリアポイントが失効する可能性
旧キャリアのポイントは引き継げない場合があるため、乗り換え前に確認しておく必要があります。

ポイントが失効する前に使い切るか、継続して利用できるか確認することが重要です。

MNPを利用してキャリアを乗り換える際の基本的な手順を以下に紹介します。

1. MNP予約番号を取得する
まず、現在利用しているキャリアからMNP予約番号を取得します。

オンラインや電話、店舗窓口で取得可能です。

予約番号の有効期限は発行から15日間となっているため、期間内に乗り換え手続きを完了させる必要があります。

2. 新しいキャリアでMNP転入手続きを行う
取得したMNP予約番号を使い、乗り換え先のキャリアで転入手続きを行います。

オンラインや店舗で手続き可能ですが、必要書類（本人確認書類、支払い用のクレジットカードなど）を事前に確認し準備しておきましょう。

3. SIMカードの受け取り・回線切り替え
新しいキャリアから送られてくるSIMカードをスマホに挿入し、回線切り替えの設定を行います。

キャリアによっては専用番号へ電話をかけたり、ウェブサイトから設定したりします。

MNPを利用する際には、いくつかの注意点があります。

1. MNP予約番号の有効期限
MNP予約番号の有効期限は15日間です。

期限内に転入手続きを完了しないと再発行が必要になります。

2. 転出・転入手数料は原則無料
2021年4月以降、MNPの転出・転入にかかる手数料は無料になりましたが、契約に際して別途費用が発生する場合があるため、事前に確認が必要です。

MNPを利用すれば、現在の電話番号を維持したままキャリアを変更でき、自分に合った料金プランやサービスを選ぶことが可能です。

手続きも簡単であり、乗り換えの際にはキャリアのキャンペーンも活用してお得に契約できるチャンスがあります。